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"The Falcon Has Landed" 非公式超訳
[2006.08.23]
『Science』誌「はやぶさ」特集イントロダクション "The Falcon Has Landed" のアブストラクトの非公式超訳 by すばる(863@Part19)。

[2006.11.10] AAAS との訳文公開手続完了

[関連エントリ]
イントロダクション2 "Adventures in Near-Earth Object Exploration" 非公式超訳



【原文情報】
"The Falcon Has Landed"
Joanne Baker
Science 2 June 2006:
Vol. 312. no. 5778, p. 1327
DOI: 10.1126/science.312.5778.1327
[ Original text ]




以下は『サイエンス』のスタッフによる公式の日本語訳ではなく、また『サイエンス』により正確さを支持されるものではありません。むしろ本訳文は完全にこのブログ管理人によるものだと言えます。重要な話題であれば『サイエンス』に掲載されている公式の英語版をご参照ください。
The following is not an official Japanese translation by the staff of SCIENCE, nor is it endorsed by SCIENCE as accurate. Rather, this translation is entirely that of the publisher. In crucial matters please refer to the official English-language version original printed in SCIENCE.



"隼は舞い降りた"
Joanne Baker


「小惑星による人類滅亡の危機」(訳注:原文「killer asteroid」)はSF映画の素材だ。しかし地球近傍小惑星の脅威は少なくとも長期的に見れば現実のものである。小惑星は数百メートルから数キロメートル程度の小さな固体で、岩あるいは氷に覆われた表面を持つ。
「小惑星が何から、どうやってできているか」を知ることは地球衝突軌道に乗った小惑星を破壊したり軌道をそらしたりする日が来たときに役立つだけでなく、地球形成のシナリオを明かしうる。
小惑星がその内部に持っている破片は約45億年前に惑星ができた際の塵円盤の残りに由来する。大部分の小惑星は惑星が形成して以来衝突と合体を経てその痕跡を残すことが多い。
いくつかはサンプル済みの隕石につながることさえある。それらの隕石は小惑星の衝突の際にはじき出されたものであるというのだ。
小惑星の例を集めて分類することについては十分な研究がされているが、その形成という基本的な謎は未解決だ。
全体的な化学組成は地上観測によるスペクトル分析や隕石サンプルとの比較でつきとめられる。しかし形態的な情報を得るにはより詳細な観察が必要だ。
ごつごつした小惑星(イダとガスプラ)の初のクローズアップ画像を撮影したのは木星への途上にあった探査機ガリレオだった。そしてエロスの宇宙風化した表面は2001年にNASAの探査機ニア(NEAR:地球近傍小惑星観測衛星)・シューメーカーで徹底調査された。

次のステップに必要なのは様々な小惑星に着陸してサンプルを持ち帰るという技術的にやりがいのあるミッションであり、日本の「はやぶさ」ミッションはその先駆けといえる。
2003年5月に打ち上げられイオン・エンジンで推進した「はやぶさ」は2005年9月に小惑星イトカワに到着した。長径わずか500mの小さな岩石型小惑星であり、その楕円軌道は地球と火星両者の軌道を横切っている。

探査機「はやぶさ」(「hayabusa」は falcon という意味だ)はイトカワ上空20kmに漂い2005年11月に獲物めがけて降下、およそ30分間その表面で羽を休めた。ミッション担当者は運用を立て直すために奮闘を余儀なくされ、機械の鉤爪に岩石を掴み取れたかどうかはまだ定かでない。それでも現在「はやぶさ」は推進剤は少ないものの地球に向かってゆっくりと宙(そら)を舞っている。その翼は積み荷であるカプセルを地球へ投下するだろう──2010年、オーストラリアの砂漠を目標地点に。
(訳注1)

「はやぶさ」が地球へみごと帰還を果たすか否かをともかくとしても、本特集での論文の数々は「はやぶさ」が我々の小惑星への見地を広げてくれたことを示している。がっしりしたエロスとは異なり、イトカワは驚くべき「がれきの山」、すなわち弱い重力によって緩く結びついた岩の世界であることがわかった。
その状態は、2つの異なる塊が過去の衝突で潰れて一つになったことを示唆している。岩の多い表面にはほとんどクレーターが見られないが、それはおそらく衝撃が「がれきの山」をゆすって衝突痕を消してしまうからだろう。
粒のそろった砂利の「海」も、局所的な重力の弱い複数地域を覆っている。「はやぶさ」が搭載した赤外線およびX線の分光計は、イトカワの組成がコンドライト質であり他の多くの小惑星にも典型的なものであることを伝えた。

「はやぶさ」の苦難の果ての成功は2010年のサンプルリターンをもって最後を飾るのかもしれない。
だが現時点においてさえ、この想像力に富んだミッションはラブルパイル(「がれきの山」)小惑星が実に変わった世界であることを我々に明かしてくれているのだ。



Text from Baker, SCIENCE 312: 1327 (2006). Reprinted with permission from AAAS.



[ 訳注 ]
1:この段落、「hover」「swoop」「perch」「talon」「glide」などの語を用いて文章全体で「はやぶさ」を猛禽に見立てています。「機械の鉤爪(robotic talon)」が実際のサンプル採取機構を説明するものでない(あくまで比喩的表現である)のは皆さんご承知の通り。
翻訳にあたっては「猛禽としての見立て」を反映するため、原文にない「獲物めがけて」「翼」の語句を追加しています。また、同じ理由により「perch」は「羽を休める」としています。

[ 翻訳文について ]
非営利の個人的な目的に限り、閲覧および一時的なコピーに限定したダウンロードを認める。法によって認められる場合を除き、以下の行為は全体、部分を問わずこの訳文を掲載した者による事前の許諾書面なしに行ってはならない。
複写、再配布、転送、編集、改変、上演、展示、出版、販売
Readers may view, browse, and/or download material for temporary copying purpose only, provided these uses are for noncommercial personal purposes. Except as provided by law, this material may not be further reproduced, distributed, transmitted, modified, adapted, performed, displayed, published, or sold in whole or in part, without prior written permission from the publisher.
(上記、AAASの使用許諾に準じた記載。
 他に「誤訳や超訳が含まれている点、ご留意のほどを」と個人的に追加します。
 AAASによる訳文のチェックはされていません!



しかし、「The Falcon Has Landed」というタイトルはジャック・ヒギンズの「The eagle has landed(鷲は舞い降りた)」の本歌取りだったんですねえ。(879氏@「【イトカワ】小惑星探査機はやぶさ Part19【ISAS】」の発言で知りました)

このフレーズの初出はアポロ 11 号かな?
「Houston, Tranquility Base here. The Eagle has landed.」ってやつ。(イーグル:月着陸船の名)
あ、だから unmannedspaceflight.com のはやぶさトピックで「はやぶさのイトカワ到着はアポロ11号、はやぶさの帰還はアポロ13号」と比喩されてたのか。

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