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宇宙研一般公開、そして予想外の名誉
JAXA宇宙科学研究本部相模原キャンパス一般公開行ってきました。

さすがは研究施設なだけあって、次回はちゃんと事前に勉強しようと反省することしきり(汗)。
毎度おなじみ「先生しつもん」をやればいいのはわかっているんですが「質問は仕様書/マニュアル読んでから」が鉄則な商売やってると「とりあえず目の前のパネルを読んでからでないと質問できない」気がしましてねえ……。
でも「先生しつもん」をやるとスタッフの皆さんがものすごく嬉しそうに答えて下さったので、あまり気にしないで質問していいのかも(笑)。
やっぱり自分の研究分野に興味を示されるのは嬉しいんだなあ。

しかし致命的な問題として、1日で全部見るのは無理だ!いや見るだけなら1日でいいけど、話を伺うには時間が全然足りなーい!!(涙)

本エントリは宇宙科学研究本部(以下 ISAS)の「JAXA相模原キャンパス(宇宙研)一般公開のお知らせ」にある会場図を併用してご覧頂けると幸いです。

本エントリは書きかけです。あとはレールガンと「撃墜マーク」と人工オーロラと宇宙学校3、4時間目と……ぐええ。)


【金色のサーマルブランケットと黒いサーマルブランケットのナゾ】

前回の宿題。第4会場「人工衛星の熱制御技術」コーナーの方にお伺いしました。
回答は(私が誤解していなければ)こんな感じみたい。(↓)
金色のサーマルブランケット(ポリイミドフィルム)は帯電しやすい。アースをつけて少しでも電荷を逃がすようにはしているが絶縁体なので限界がある。
 ※この「アースをつける」というのが地上作業時の話なのか、
  「宇宙空間へ電荷を逃がすようにしている」という意味なのか
  確認し忘れました……ああくそっ!
これに対し黒いサーマルブランケット(ブラックカプトンフィルム)は炭素が入っているため電気が通りやすい=機体表面の電荷が偏りにくい=電気に敏感な機器への悪影響を抑えられる。
「どういう条件で金/黒を選ぶか」については「金額的理由」があるかどうかはわからない。ただ「帯電するのが特に望ましくない」場所へ行く衛星は黒いのを使うんだと思う。
 ※後日ぐぐったら「月まで飛んでいってしまへ:人工衛星・探査機の”色”
  というそのまんまなブログエエントリが見つかりました。
  要するにプラズマ観測機を載せるときは黒いのを使うということらしい。



【あの宇宙食材】

第3会場「宇宙農業構想」コーナー。
「いつか人間が他の天体に長期滞在するようになったら自給自足しなくてはならない」というわけで、蚕は繊維がとれる(=衣服が作れる)し動物(=タンパク源)だしで好都合だよね♪という展示。
女性には天然シルク素材の化粧水のサンプルをプレゼント、ついでに絹糸の取り方も教えちゃう!
……ここは本当に「宇宙科学」研究本部ですか?どこぞの呉服屋チェーンの展示会じゃないんですか?(笑)
で、やっぱり出ました「蚕の佃煮(幼虫版/蛹版)」「蚕の粉末入りクッキー」。
食ったさ。ああ食ったとも。
佃煮は信州名産の缶詰だそうですがエビの尻尾みたいな味でおいしかったですよ。
見た目はそのまんまなので、蚕や蜂の子を食べる風習がない地域出身の私にはかなりの勇気が必要でしたが(特に蛹!/涙)。
クッキーは「お菓子でなく食料としての開発」なので甘みがほとんどありませんでした。
「宇宙食材」としての利用方法は「繭になるまで待って、糸を取ったら蛹は食う」だそうです。
しかし(当座の目標である)火星に桑の木を移植するったって大気組成が地球と全然違うじゃないか、と聞いたら「最初はもちろん閉鎖環境での自給自足です。このパネル(宇宙服を着た人間が火星の大地を耕している)はウソです(笑)」とのこと。
そのために 1/10 気圧の純酸素環境での養蚕実験を続けているそうです。



【中止になった LUNAR-A は……】

サーマルブランケットの質問をさせてもらった第4会場「人工衛星の熱制御技術」背面のコンテナに「LUNAR-A」という文字。
当初 1995 年打上げを目指していたものの計画が長引き、今年になって正式に中止となった月探査ミッションが「LUNAR-A」。
スタッフさんに「あれ、中身(衛星本体)入っているんですか?」とお伺いしたら
「入ってますよ。
 お聞きになると言うことは(中止になったという)事情はご存知ですよね。
 中止ミッションなのであのコンテナについてはお聞きになった人にだけ
 お答えすることにしています」
と「マニアックな質問なさいますね〜」と苦笑されました。
この LUNAR-A の衛星本体は現在開発中の次期固体燃料ロケットのテストペイロード(テスト用の荷物)にする可能性が高いそうです……。

LUNAR-A ミッションがやろうとしていたのはペネトレータ(槍型の地震計)を月面に打ち込んで月震(月の地震)を計測しよう、というものでした。
そのペネトレータは第1会場で展示。

【今年度の開発・試験スケジュール】<br>・フライト品相当モデルの貫入後の電気性能試験と自然地動観測試験はいずれも良好な結果を得ました。<br>・最終確認用としてもう1機のフライト品相当モデルの製造と各種試験を実施する予定です。→データ処理回路と通信系回路を新規に設計し、より一層のノイズ対策と通信系システムのロバスト性を改善しました。<br>・現在、電気性能試験を逐次実施しながら、フライト品相当のペネトレータ製造を進めています。<br>・来年2月頃、製造完了後に最終電気性能試験を実施して、米国サンディア国立研究所にて貫入試験を行ないます。→LUNAR-A ペネトレータ技術の完成
【これまでの経緯】<br>・2006年6月:ロシア側から LUNA-GLOB ミッションに日本側のペネトレータを搭載する意向について打診が行なわれた。<br>・2006年7月: ILEWG 会議(北京で開催)においてロシア側科学者、技術者等と話し合いを行ない、搭載についての技術検討を進めることで合意した。<br>・2006年11月:ロシア側科学者、技術者 2 名が来日。技術的な課題について議論を行なった。<br>・2007年2月:JAXA 担当者がロシア Lavochikin Association を訪問し、技術的課題の検討状況と開発スケジュール、責任分担について整理を行なった。<br>・2007年3月:ISAS 宇宙理学委員会にワーキンググループの設立提案を行ない承認を受けた。<br>・二者間協定(Protocol of Intent)を締結し、LUNA-GLOB への搭載可能性について詳細な技術検討を進めることとした。
というわけでロシアの月探査ミッション「LUNA-GLOB」に4基搭載する方向で研究者間協議が進んでいるそうです。
「ロシアへの技術流出が怖いという意見がありますが、得られた理学データを共有できるなら技術的にはブラックボックスでも構わない、というのが現時点でのロシア側の意見です」とは その場で説明係をなさっていた(LUNAR-A ミッションの頃からの)ペネトレータ開発責任者:藤村彰夫教授。
なんでも元々ロシアは火星探査機に槍型計器を積んでいたんだそうですが探査機が火星にたどり着けなかったと。
んで月探査やるのにその槍型計器の技術を生かそうと思っていたらちょうど LUNAR-A が中止になって日本のペネトレータが根無し草になったことを知ったと。
んでちょうどいいや、提携しない?という話になっていると。
そんな感じらしい。



【未来に向けての研究コーナーはウケ狙い(?)】

LUNAR-A 衛星本体をテストペイロードにするという次期固体ロケットについての展示は第5会場。ここは将来構想や基礎研究を展示している場所なのですが
微「笑」重力材料実験

重力が微笑んでいたり

(正しくは「微小重力」)


ジェダイの騎士がいたり

なかなかチャーミングな場所です(笑)。
注:JEDI センター:JAXA 情報・計算機工学センター (JAXA’ s Engineering Digital Innovation Center)
  1. 情報技術・情報システム等を利用した宇宙機・航空機プロジェクトの情報化に関すること
  2. 数値シミュレーション技術の宇宙機・航空機開発への応用に係わる研究開発に関すること
  3. スーパーコンピュータシステムの整備, 運用及び利用技術等の研究開発に関すること
が彼らにとってのジェダイ・オーダーだそうです。念のため。
もちろんこれも X-WING ではなく M-3S II ロケット実物大模型。



【祈り Return of the Falcon 小惑星探査機はやぶさの物語】

ISAS の人気者、健気で勇敢でもしかしたらドジかもしれない工学試験衛星「はやぶさ」の新作映像作品『祈り Return of the Falcon 小惑星探査機はやぶさの物語』がこの日初披露されました。
「はやぶさ」ブースの大型テレビでも上映していたんですがそちらは「試作品」だったそうで、完成品はミニミニ宇宙学校終了後の会場で初上映。
実際の運用データを基に「はやぶさ」の動きを映像化したもので CG の質もおそろしく高い
2006 年 01 月、消息を絶っていた「はやぶさ」が「ココハ ドコダロウ」と意識を取り戻す所から始まります。お前、やっぱり「魂」を持つに至ってたのかよ!
正直な所、教育目的で作られた映像作品で「はやぶさ」を擬人化するのはどうかな〜と思います(中学生の頃の私なら冷笑してる)。
が、思春期をとうに過ぎた身は「はやぶさ」が「カエラナキャ コキョウヘ」とイオンエンジンを始動する場面でこっそり泣いてました。もしかしたら「ものすごく苛立った表情」でそっぽを向いたように見えたかもしれないけど。

イトカワという小惑星がとんでもなく小さいのだと頭ではわかっていても、動画で見るとまた感触が違うねえ……。いやホント、こんな小さい星に辿り着いただけでも素人には「とんでもない話」に思えるんですが。
この『祈り』、後々(8月?)には Web 上での閲覧を可能にするとのこと。



【予想外の名誉(あるいは ISAS に「釣られ」た「2ちゃんねらー」)】

上記の『祈り』 完成品の上映会にて。
本編終了後に「これで本編は終わりですがオマケがあります。スタッフロールなんですが運用中の様子の映像も流れます」と司会の吉川先生。

この「運用中の様子」をエサにしたのは吉川先生の作戦だったんじゃないかと今となっては邪推します。
だってどう見ても「はやぶさ」マニアしか残らなかったもの(笑)。
その「オマケ」は今まで「はやぶさ」ミッションに関わってきた人々の名が流れていくものだったのですが、「Special thanks to」の中に
Web: 2ちゃんねる「はやぶさ」関連スレッド
という文字。
後ろの席のお兄さんは「ぶっ!」と吹き出す、私は私でゲラゲラ笑い出す。
# 吉川先生、すみませんでした……。

いや、「はやぶさ」ミッション・スタッフロールが来た時点で「インターネット上で応援してくれた方々」くらいは来るなと思ったんですよ。
でもまさかあの(世間一般的に)悪名高き「2ちゃんねる」の文字が出るなんて思っていなかったんだ。
まさか公式の映像作品の中で「2ちゃんねるユーザ」への感謝が表明されるなんて、期待どころか想像もしてなかったんだよ。



ISAS 一般公開の怖いところは「ただのスタッフだと思ったら実はミッションの重鎮」なんてことが当たり前に発生することでして。
「わー、『すざく』(X線天文衛星)ブースのスタッフTシャツかっこいいなー」なんて自分の後ろにいる人を見てたらその方は「すざく」衛星主任の井上一教授でしたとか、「はやぶさ」新作動画の上映場所をお伺いした方のお顔をよく見れば「はやぶさ」ミッション・サイエンスマネージャの吉川真 助教 准教授(すみませんお立場の記述間違えました。おとなしく従来の「助教授」表記にすればよかった……)でしたとか、普通なら「講演会の壇上でスーツを着ている」姿か「記者会見時の写真」を拝見するだけのような雲上人たちがなんでスタッフTシャツ着てサンダル履きで来場者対応やってるんですか(冷や汗)。
# この文化ゆえに ISAS には熱狂的なファンがつくんだろうなあ。
宇宙&天文 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | by すばる
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