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宇宙研一般公開2009
ISAS一般公開史上初の2日間開催。
まず何よりも「2日間開催」のために奔走された阪本教授、そして例年以上に準備に骨を折られたであろう ISAS 関係者の方々にお礼を申し上げたく。
本当にお疲れさまでした!


とりあえず M-V の実機(正しくはフェアリングのみダミー)にご挨拶。
「世界唯一の触って嗅げる体感的ロケット展示」とは阪本教授の言。
1日目はさほど風も強くなく空気が湿っていたので1、2段間部で固体燃料の焦げた臭い(注:実機も実機、燃焼試験済みですから)を嗅ぐことができました。

当初は例年と同じボリュームで2日間開催だと思い「お、やっと1回で全部回れる?」と思ったらさらっとボリュームアップされてて嬉しい悲鳴。関係者の皆さんは本気で悲鳴だったのではなかろうかと。

……で、えーと、この300枚もの画像をこれから整頓するんかい……。
というわけで、レポートは明日から本エントリに書いていきますが途中でリタイアするかもしれない。
(先週末の「Fly me to the Moon in AKIBA」のレポートも書いてないしなあ……)

2日目終了後、相模原市立科学館の涼しい空調の中でカエルの声に聞き入り、うっかりそのまま寝そうになった大間抜け。
ところでシソは伐採の魔手から逃れられなかった模様です(私信)。



【かぐや】

「かぐや(SELENE)」関係者限定団扇。
※頒布・販売していないため写真に撮らせて頂いただけ
まさか「内輪向け団扇」などというシャレではないと思いたいけど ISAS であるからしてその可能性が否定できない。
Q:「かぐや」制御落下って、「その瞬間」(の2秒後)に全受信データが沈黙したの?
  (素人考えでは「心電図がフラットになる」ようなイメージがあるため)
A:本当に落下直前の低高度では月の地形で電波が届かなくなったりもする。
  だから「その瞬間に沈黙する」わけじゃない。
  数分間「もう電波が来ない」ことを確認した上で落下成功と判断した。
Q:衝突閃光が確認されたが、「かぐや」は熔けてしまったの?
A:個人的推測だが、落下時は水平方向の成分が大きかったので
  「熔けた」というよりは「すり潰された/すり減った」のではないかと思う。
  もしかしたら遠い将来に人間が「かぐや」の落下地点を確認して、
  残骸の状態と落下時衝突閃光の強さをつきあわせて
  「衝突閃光強度からエネルギー量を算出」なんて技術ができるかも。
Q:アポロ捏造論者がかまびすしくて大変だったでしょう?(笑)
A:(笑)。
  いや、でもそういう形であっても「興味を持ってもらった」ことは重要。
Q:11月公開予定のアーカイブは生データも出す?
A:出す。生データだけでなく利用しやすい形に整形したデータも公開する。
  「月面マップと、その場所のHD動画の連携」もやる予定。
  自分が関わったのはLISM(カメラ系)で、データ量が大きくて処理が大変だけど
  アーカイブ公開に向けて頑張ります。

[ 2009.07.27追記 ]
2009.07月末をもって「かぐや(SELENE)」運用チームは解散とのこと。

【月探査情報ステーション】
私が SELENE ミッションを知ったのは1999年、NASDA(当時)サイトにあった「月探査情報ステーション」でした。
現在もそのコーナーは続いていますが、一時期「技術上ではない理由で」更新停止していたのは「はやぶさまとめニュース」でも報じられた話。
現在はテラキンさんの「意地というか、やる気だけでもっている」とのこと。
サーバが筑波から相模原に移ったりしたことからもわかる通り
「最初はNASDA系だったのがどんどんこっち(ISAS)に移っていって、
 今では『ウチのコンテンツじゃない』というような扱いをされている」
(テラキンさん談)
どうも「月探査情報ステーション」には予算が出ていないようなニュアンスでした。
経営部さん、私はこのコーナーがあったから8年間 SELENE を待ち続けたんだよ。SELENE のアウトリーチとして大きな功績を果たしてこられたはずですよ。



【はやぶさ】
> 「はやぶさ」のバッテリはもう使用されない由、 ISAS は公表してる。
> リエントリーカプセル射出にはまず火薬に点火しなければならない。
> その電流はソーラーパネルだけでまかなえるのか。

以前書きましたが、「はやぶさ」が無事「冬眠モード」から目覚めたのでお伺いしてきました。

※その節は電気推進ブース、再使用ロケットブース、宇宙用電源部品ブースのお3方、ありがとうございました



答え:「大丈夫」。
リエントリカプセル切り離し火工品の点火用電源はそれ専用の小型バッテリ。
もう使えなくなってしまったバッテリとは別。
とっても長持ち(と誇らしげに付け足す宇宙用電源ブースの先生)。

「はやぶさ」関係者氏曰く(内容的に発言者は伏せます/笑):
川口先生はプロジェクトマネージャという立場から慎重な(悲観的な)発言をせざるを得ない。
でも誰よりも「はやぶさ」帰還を望んでいるのが川口先生。
彼の精神的タフさは群を抜いていて、それが「はやぶさ」チームの強さになっている。
……けど、GWのド真ん中に会議を設定するのはタフすぎる(苦笑)。
イオンエンジン担当の國中先生はご自身のことを楽観主義者と称して、川口先生が慎重な発言をするかわりのように楽観的な発言をしている。
でも会見で楽観的な表情を見せていてもその前にシビアな検討をやり尽くしてる。エンジンのことを知り抜いているのが彼だから。
……なんか、まだ裏技を隠し持ってるらしいんですよねえ(笑)。

こういう展示が出るといよいよ帰還が近づいたなあと実感します。
設備はもうできてるんだから、なんとか頑張って帰っておいで。
せっかく設備ができたんだから他の星のかけらも拾いにいこうよ。

2日目の「はやぶさ」ブースは過去の講演や公式コンテンツに登場なさった方々(=ミッションの重鎮)多数。
3月の「宇宙探査の始動」でも展示されていた「実際のイトカワの密度を再現したイトカワ模型」を「やっぱり重い……」と持ち上げていたら

「これ、『一般的な岩石の密度』のモデルも作りたいんですよ。比較できないと意味がないですから」


と苦笑まじりの吉川准教授(「はやぶさ」ミッション サイエンスマネージャ)。

「来年の一般公開では『はやぶさお帰りなさい祭り』になっていることを願ってます」とお伝えすると
「もし帰って来たらこの辺(「はやぶさ」ブース)は規模拡大してもらわないと。
 可能なら回収されたカプセルも展示したいです」
とのこと。吉川先生は来年の話に関しては「『もし』帰って来たら」と常に仮定形で話すように意識されているご様子でした。

「はやぶさお迎えツアー in オーストラリア」を画策している人が複数いること、現地へのルートを調べ終えた方もいることをお伝えしたら「もうそこまでされてるんですか」と呆れておいでか驚いておいでか。
ISASの回収チームはどこらへんを拠点になさるのかお伺いしたところ(場所が重なると宿泊施設確保も大変になるし回収チームの邪魔になるから)
「一カ所ではなくあちこちに分けて泊まります。
 結局は(一般立ち入り禁止区域である)ウーメラ試験場内部になりますしね」
とのお答え。
質問が機密に抵触していた可能性もあるので「はぐらかし回答」かもね。

[ 2009.11.26 ] 私はオーストラリア行きを自粛します [ /2009.11.26 ]


宇宙通信ブースで公開されていた「はやぶさ」通信音。ALUMIさん、録画&公開ありがとうございます。
おそらくはリアルタイムデータではなく記録データだろうと思われますが、これが不死鳥の囀りです。
ぴよぴよぴーきゅーと可愛い「声」だねえ。

【はやぶさ2】
以前は「はやぶさ」のマイナーアップデート版とされていた「はやぶさ2」ミッション。
今年の展示パネルによると「着陸・回収機」と「衝突機」の2機構成という大変化。
吉川先生:「『はやぶさ』と同じことをやったら(審査を)通らない」。
しかし「はやぶさ」は本来「理学探査のための技術試験」が目的のはず。
「2」でまた工学面での新要素を盛り込むことになるとは。

そういえば「2」の立ち位置は工学実験ミッション(MUSESシリーズ)でなく理学ミッション。ミッションコードは「PLANET」シリーズになるのでしょうか?
吉川先生:「そういえば……(笑)。『PLANET』シリーズではないと思います。
  『かぐや』後継機も現時点では『SELENE-2』と呼ばれていて『SELENE』が
  シリーズ名のようになっていますから、『HAYABUSA』シリーズに
  なるかもしれませんね」
あ、じゃあ「HAYABUSA」シリーズはずっと猛禽の名をつけていただいて 「HAYABUSA-D」は「わし」で是非(笑)。

「大正製薬さんに贈って頂いた件は本当に驚いた。いっそリポDより高いので有名になってれば(笑)」


という発言もなさっていました(笑)

重要な注:JAXAの 公式スタンスは
「寄付や差し入れを個人から受け取るのは難しい(嬉しいが立場上困る)」
というものですので、くれぐれも真に受けて「ゼナ」2カートンとかお送りしないように。



吉川先生「『はやぶさ2』ではもっと人の労力を軽くする方針です」
私   「それは勤務シフトという観点で、ですか?」
吉川先生「自律行動系という意味で。
  『はやぶさ』の経験を踏まえて次はもっとうまくやれます」

確かに着陸・サンプリングに関する自律行動系はまだまだ進化できそう。
判断プログラムにもっと余裕を与えるとかも含めてね。
(ミネルバ放出タイミングの件は判断プログラムに余裕がなかったのも一因だから……)



【 PLANET-C 】
「来年はもう見られません。来年まだ見られたらまずい状況です
という呼び込みが冴え渡る金星大気観測衛星 PLANET-C のフライトモデル(実際に飛ばす実機)展示。
1日目は(平日なので)組み立て作業中の様子を公開していたとのこと。

上左:観測機器パネル(外装)
上右:衛星本体
下 :組み立て手順。観測機器パネルを持ち上げて衛星本体に被せています。

どうしても気になったので質問。

Q:リアクションホイール(以下 RW)は Ithaco 社製?
A:YES。4基搭載。

「はやぶさ」「かぐや」それぞれの RW トラブルは全く別の現象。それは理解していますが非科学的意見として「縁起悪い」なあ……。
「正直な所、使えるサイズの RW を作っている所が他にないんです。
 他所のは全部大きすぎて PLANET-C の大きさに合わない」

「あなたの名前を金星へ」キャンペーンについては中村先生の講演の質問コーナーで言及有り。
夏休みあけあたりに始動しそう。
なんか PLANET-C アウトリーチ関連は秋からいろいろ出てくるそうなので期待して待て。
名前は「まず ISAS 内部選考をやって圧倒的に票を獲得した名があったらそれにする。票が割れたら公募」らしい。



【レールガンはどこ行った】
昨年の一般公開で「展示なし」となった ISAS 一般公開名物レールガン。
今年は「超高速超突施設」(「超突」ママ)の紹介が展示されると案内図に書かれている……のに……地図上の場所にあるのはX線望遠鏡の説明パネル???
入り口の方にお伺いすると、地図上の場所ではなく人工オーロラの出口近くにパネルが出ているとのこと。
……いや、人工オーロラは以前拝見しましたので、あの大行列に並ぶのは遠慮させて下さい。
(今年は「この位置なら待ち時間20分」の張り紙がされてました。ナイス!)
んでまあ、何でレールガンやらないの?というのは去年も今年もたくさんの方に聞かれたとのこと。

「その都度アンケートに書いてもらいました。アンケート結果はできるだけフィードバックするようにしてますから。
レールガンを知り尽くした方が昨年退官されたのが公開できない理由らしいんですが……」


とのことで、どうも設備入れ替えとかいう理由ではないっぽい。
皆、「レールガンが見たい」とアンケートに書いたかい?



【それを飛ばす気か!?】
相模原キャンパスから共和小学校(水ロケット会場)へ歩を進める3人の若手研究者。
先頭の青年が抱きかかえているのは古き ISAS の2段式ロケット(※)……の形をした水ロケット!?
件の青年「なんかすっごく注目されて恥ずかしいんだけど」と同行している方に話しておいででしたが、そりゃ私だけでなくみんな注目しますよ。
あれ、無事に飛んだのかなあ。
※ごめん、ベビーかカッパーかラムダか、自分は一目では判断できなかった




オッシャル トオリデ ゴザイマス。
宇宙&天文 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | by すばる
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