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春分までは喜ばない
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「はやぶさ」地球引力圏軌道へ!地球まであとわずか

というわけで、川口プロマネの「楽しみにしていて下さい」宣言は無事に成就。
「はやぶさ」、少なくとも地球引力圏に入れることは確定しました。

地球引力圏に入ると(超おおざっぱに言って)軌道設計のパラメータが変わります。
普通の太陽周回軌道では「太陽の引力 > 地球の引力」 ですが
地球引力圏に入ると  「太陽の引力 < 地球の引力」 となります。

上リンク先で川口教授が
「地球への往復飛行に一応の区切りをつけたこと、帰還できたことを示しています」
と述べておいでですが、これは「軌道設計のパラメータが変わる」ことを「帰還した」と表現したものです。
※川口教授は軌道力学の専門家

つまり、現時点では地球大気圏再突入軌道への到達が確定したわけではないので注意。
現時点で確定している地球最接近距離は地球から140万 km。地球──月 間の約4倍。
現在位置は地球から5,900万 km です。


関係者の皆さんごめんなさい、やはり素人にとって「地球帰還」が意味するのは「地球大気圏再突入」なんです。
だから現時点での私の感覚は「ご町内までは帰って来た」というもの。
毎日新聞の永山氏は「はやぶさの地球への帰還がほぼ確実になり」と記事に書いてらっしゃいますが、そりゃちょと楽観的にすぎる気がします。
# 永山氏の「はやぶさ」記事は上質なものが多いです。為念。
なお、01/11 付記事での川口プロマネの見解は「カプセル回収成功までいく確率は6割」。

「はやぶさ」地球引力圏軌道へ!地球まであとわずか」のページ(具体的にはこの図)を見るに、地球大気圏再突入軌道に到達するにはだいたい03/20頃まで軌道変換を続ける必要があるようです。
リエントリカプセル再突入実験実施のためにはさらに

  • リエントリカプセル射出のための電流が確保できること
    ※これについては昨年夏の宇宙研一般公開にて「大丈夫」との回答をいただいています。ただし「一般公開の場で、外部の人間から受けた未発表事項に関する質問」に対する回答ですから完全に鵜呑みにするのはマナー違反よ。
  • 姿勢制御が可能であること

が必要です。リエントリカプセルが地上に到達するためにはさらに

  • リエントリカプセル射出オペレーションが必要な精度を満たしていること
  • カプセルが熱に耐えること
    ※これをテストするのが「はやぶさ」ミッションの目的の1つ
  • パラシュートが開くこと

が必要です。試料がとれているかは──まあ「正規の採取手順」は行われなかった可能性が高い(データが揮発したため断言不可能)ので「入っていればめっけもの」。

「正規手段で採取できなかった」ことより「データが揮発した」のがつくづく惜しい。
「記録については満足しています。次は失敗しません。ご期待ください」( (c)プラネテス)が言えれば実験としては成功だから。

春分までは喜ばない。
今動いているニコイチ・エンジンは自己診断ができないからいつ止まっても驚かない。(といっても、エンジンの寿命を決める中和器がほぼ新品なので……いや楽観するもんか)

2010年1月14日00時00分(日本時間では、1月14日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離58,722,790km、赤経9h46m26s、赤緯17.35度にいます。

星図で示すとここらへん。



さて 01/14 付の「今週のはやぶさ君」
そうか、内之浦アンテナは「うっちーさん」になったか!
うっちーさんの愛らしい姿はこれ(たこあげイラスト)。
「はやぶさ」ミッション終わった後どうなさるんだ宇宙研。「今週のあかつき君」とか「今週のイカロス君」とかやらないと「うすださん」「うっちーさん」「ベピちゃん」が脳に浸食した連中が困ってしまうぞ(笑)。
誰か「はやぶさ君」作成担当の小野瀬さんを止めてくれ(訳:いいぞもっとやれ)。



八王子サイエンスドーム「HAYABUSA」上映、ショート版なのねん……(しょんぼり)。
一方、相模原ではいいタイミングで講演開催。

日曜講演会 PLANET-C あかつき 〜「地球の双子星」金星の謎を探る〜
 01/24(日) 14:00〜16:00
 於:相模原市立博物館大会議室
 先着200名/入場無料

これはあれだ、
 ・11:00に「HAYABUSA」を見る
 ・昼食(あの辺り、土日にご飯食べられるところあったっけ?)
 ・食後に軽く宇宙研見学
 ・14:00から講演を聞く
という密度の濃いマネができるということだよ!(笑)
宇宙&天文 | permalink | comments(0) | trackbacks(1) | by すばる
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