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"Asteroid Itokawa Sample Return" 非公式超訳
【原文情報】
"Asteroid Itokawa Sample Return"
Dauna Coulter
Science@NASA, 2010/12/29



あくまで在野の宇宙好きによる非公式超訳です。この訳文に Science@NASA は一切関与していません。
また、訳文は改行を追加しています。


宇宙航空研究開発機構の「はやぶさ」探査機が小さな欠片を持ち帰った。異世界、小惑星イトカワのものだ。

「別世界をまさにその手にする。これはとてつもない興奮です」と Mike Zolensky は語る。彼はジョンソン宇宙センターで惑星間塵の Associate Curator を務めており、サイエンスチームに3人いる日本人ではないメンバの1人だ。
「我々は、小惑星が実際に何でできてきるのかを初めて詳細に見ているんです!」

彼が興奮しているのには正当な理由がある。
小惑星が形成されたのは我々の太陽系の黎明期であるため、小惑星の試料を研究することによって太陽系がどのように形成され進化したかを知ることができる。

「はやぶさ」は2003年に打上げられ、イトカワへの10億キロメートルの航海に出発した。到着したのは2年と少しを過ぎてからだ。
2005年に「はやぶさ」は華々しい功績を立てた。小惑星表面に着地したのだ。(1)
異世界の試料を得ることが期待された。

だが問題があった。
小惑星表面の塵を撒き上げるためにセットされていたプロジェクタイルの発射に失敗したため、着陸時に小片が撒き上がったことを期待するしかなかったのだ。
小惑星の塵は試料カプセルに入っただろうか?

(訳注:図は省略)
JAXAによると「はやぶさ」の帰還はぴったり計画通りだった。→全文


Zolenskyら熱意ある科学者の目は空に釘付けとなり、その疑問の答えが2010/06/13の夜に時速27,000マイルで地球大気圏に再突入するのを見ていた。
「はやぶさ」の本体バスは再突入の間にオーストラリアのアウトバック上空でバラバラになり、無傷の試料帰還カプセルがパラシュートで大地に到達した。

「我々は心奪われました」とZolenskyは言う。「着地を待っている時、みな身動きさえしませんでした」

だがそれは待機の始まりに過ぎなかった。
暗闇でのカプセル捜索があまりに危険だったため、彼はカプセルを間近に見るまで眠れぬ夜を過ごすことになったのだ。

「私は翌朝ヘリコプターに乗り込んで着陸地点に向かう第一陣の一人で、カプセルに最初に近づく人間でした」



彼はカプセルから10フィート以内のところで立ち止まらなければならなかった。

待機再び。

「私は回収チームの作業を見ていました。彼らはフェースマスク、手袋、パッド入りの青い防護服を着用しました。パラシュート分離のための火工品の燃え残りを安全化しなくてはならなかったからですが、非常に神経を使う作業でした。その後彼らはカプセルをとても慎重に拾い上げ、ボックスに格納しました」



カプセルという貴重な貨物は分析にかけるためにチャーター機で日本へ空輸された。
カプセルが到着したときに誰が待ち受けていたか推測が立ったろうか。

「仕事の準備はできていました」とZolensky。彼はNASAエイムズ研究センターの Scott Sandford と共にカプセル開封のために日本へ発ったのだ。

「最初の確認結果では失望しました。X線スキャンでカプセルを調べた時は何もないように見えたのです」



次いで解析チームの日本人メンバは苦労してカプセルを分解した。

「彼らは汚染を避けるためにマイクロマニュピレータを使う必要があり、分解作業には数ヶ月かかりました」



待機再び。

(訳注:図は省略)
「はやぶさ」試料帰還カプセル内部で見つかった物質の電子顕微鏡写真。
赤い矢印が小惑星由来の小片を示す。→全文


「一度内部を見られるようになると、内側の壁に塵がついているのが見つかりました。
私自身は『よし、小惑星の塵だ!』と思ったのですが、打上げ、再突入、着陸時に混入した塵である可能性がまだ残っていました」



次のステップでは小片を取り出し分析することになっていた。うんざりするほど遅々とした作業と待機がまたやって来た。

「それぞれの小片は人の髪の毛の太さよりも小さいのです。我々はその小さい小片をかき集めるため、遂にはテフロン製のヘラを使うようになりました」



まだ多くの小片をカプセルに残した状態であるにも関わらず、解析チームは2000粒ほどの小片を取り出して電子顕微鏡で分析を行った。

そして……

「少なくとも1500粒は小惑星由来です!我々は別世界の欠片を目の当たりにしているんです。非常に原始的なタイプの小惑星であるようですね。詳しくは2011年3月にヒューストンで開かれる月惑星科学会議でお話しします」



固体惑星の試料が地球外で得られたのはこれで3種類目だ。
アポロ宇宙飛行士とソ連のルナ探査機が1種類目だ。月の試料を得ている。
そしてNASAのスターダスト探査機がビルド2彗星の試料を2006年に持ち帰っている。

「日本人は奮い立っています。我々もです。天皇は個人的なカプセル視察を要請さえしました。(訳注
『はやぶさ』は日本人にとってのアポロ・ミッションです。試料が見せてくれているのは新しい世界なんです!」





(1)小惑星への着陸はこれで2例目にしかなっていない。
歴史上、探査機が小惑星表面に着陸した別の例は2001年02月にNASAのニア・シューメーカー探査機が小惑星エロスに着陸したことのみだ。


訳注:2010/08/01に両陛下はつくばでカプセルを視察されている

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