<< 宇宙酔2011 秋のお知らせ | main | 「はやぶさ2」の件 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | permalink | - | - | by スポンサードリンク
「はやぶさ/HAYABUSA」観てきました
まず前提条件。私は2006年初頭から「はやぶさ」を追っかけていた「オタク」層にあたります。

結論から言うと、20世紀フォックス「はやぶさ/HAYABUSA」は(私にとっては)全く観客をナメていない良作です。

困難な状況を描くシーンが多いですが全体として前向きな(あるいはコミカルな)雰囲気を維持し、大仰な感情表現を用いない演技がなされていたのは個人的にとても好み。そして、研究者を取り巻く冷酷な事実もきちんと描かれています。
「熱い」とか「感動!」というよりは「前向きで誠実な」という印象です。
何より重要なのは「映画として成立しているのにほとんど事実(マニア視点から見ても致命的なツッコミ所がほとんどない)」。
一言で言うと「フォックス、よくぞ140分でここまでやった!」です。
ただし、本作は決してドキュメンタリではありません。「事実に即したエンタテイメント」です。
あと「感動で号泣」を期待して観にいくのはお勧めしません。もっと淡々としています。

事実と違うところ(映画の性格上イオンエンジンチームの手柄が他の人のものになっていたり)、描かれていないこと(ミネルバ……)はあります。
しかし全体として見れば「はやぶさ」チームの雰囲気や熱意がよく描かれていると感じました。
(あくまで外野から見た限りは、ですよ。私は関係者ではないから)
それゆえに情報量は多く、また専門用語も容赦なく飛び交います。なじみのない方にとってロケット打上げシーンまではちょっと辛いかも。140分という時間も含めて「全く観客をナメていない映画」です。

(真面目な話、「はやぶさ」をよく知らないけれど本作を見たいという方、プラネタリウムで「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」をご覧になっておくと本作を見るのがかなり楽になります)



【競合作品と比べて】
  • 「はやぶさ」それ自体に思い入れがある、または「はやぶさ」のミッション過程や成果に興味があるなら「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-
  • 「はやぶさ」チームという人々に興味があるなら本作
をお薦めします。
あと、うん、スイングバイの描写は……あれか、「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」はスィングバイ描写のスタンダードを作り上げた、とでも申し上げるべきか……。

【俳優さんすごい】
  • 演じた竹内さんはコミュニケーションスキルの低い方ではないと思われますが、主役の水沢恵のキャラクター(コミュニケーションスキルが低い)を実に上手に表現されています。
    説明を聞いている時に「説明している人でなく説明対象をガン見する」様子は私も身につまされます(苦笑)。
    ただ、他のキャラクタ(実在人物がベース)と比べると恵(人格に関する特定モデルなし)の人格設定は余りにも「絵に描いたようなオタク」という印象。
  • 「完コピ」が売り文句の本作の中でも佐野さんの川口教授(プロマネ)、マギーさんの山田准教授(カプセル担当)、甲本さんの西山准教授(イオンエンジンチーム)のクローンっぷりは異常。

【「はやぶさ」ファンでない人には辛いかもしれないけど】
カンガルーの件、あれ、実は元になるエピソードが実際にあるんです。
そんな感じで「はやぶさ」マニアでない人にとっては「白々しいコメディシーン」に思える部分があります(苦笑)。
また、作中で恵が描いている絵本(と「はやぶさくん」の独白)は実際に(2001年から2010年まで、その時々で中身を更新しながら)宇宙研のイベントで配布されていた『はやぶさ君の冒険日誌』に準じています。
『はやぶさ君の冒険日誌』は書籍化されていますので、本作で興味を持たれた方にはおすすめです。

【不満点】
  • 生瀬さん演じる「はやぶさ」オタクの描写はあんまりにもひどすぎる
    ……いや、最後の最後に全部もってかれましたけどね、私も爆笑しましたけどね(苦笑)
  • 坂上さん、それ、違法行為です。(劇中最後の彼の登場シーン)
  • 恵さん、光学班の仕事して下さい!(笑)

[追記 on 2012/09/10]
この夏に齋藤潤氏にお目にかかる機会を得たのですが、齋藤さん曰く

「あれは立ち入り禁止区域外という設定だから坂上は違法じゃないですよ(笑)。
リエントリの時はJAXA以外の人も観測に行ってたでしょう?
阿部(新助)さんや 中村(良介)さんみたいな『元はやぶさ理学チーム』の人も行ってた。
恵はそういう人たちのエスコートとして一緒にいたんです。
恵自身も任期付の立場でミッションのコアメンバーじゃないから」


とのこと。えー、画面じゃわかりませんって(苦笑)。



【関連記事】
「はやぶさ」映画情報整頓
20世紀フォックス主催「はやぶさ」帰還1周年記念イベント速記(未編集につき注意)
20世紀フォックス「はやぶさ/HAYABUSA」インタビュー

【宇宙研は見学できます】
本作の主な舞台になっている宇宙研は見学可能です。詳細は ISAS | 相模原キャンパス見学案内 に譲ります。
ご興味のある方は毎年7月末に開催される特別公開にぜひ。実際の研究者さんたちがどんな方々なのかが(色んな意味で)よくわかります(笑)。

【オマケ:競合作品感想】
『HAYABUSA - BACK TO THE EARTH -』観てきました
映画・STAR WARS | permalink | comments(2) | trackbacks(0) | by すばる
スポンサーサイト
- | permalink | - | - | by スポンサードリンク
コメント
甲本さんの西山准教授・・・そうだったんですね!
これですっきりしました。
西山准教授はだれだろう、とずっと思いながら見ていて、途中で奥さんとお子さんをのこして他界された方が出てきましたね。あの方の顔が、(顔の輪郭が)似ていたので、あれ、西山さん死んじゃった。本物は生きてるのに・・・???
と思ったら、そうか甲本さんが西山さん・・・そうだったんだー

ありがとうございます。
| kei | 2011/10/03 11:52 PM |
> keiさん
途中で他界された方はNECの木村氏(そして「のぞみ」での山本助教授、「ひので」での小杉教授)でしょうね。
この写真(劇中小道具)だと甲本さん=西山准教授というのがはっきりわかりますよ。

http://twitpic.com/5bi75p
※はやぶさiにて撮影
| すばる | 2011/10/04 5:07 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://notserious.jugem.cc/trackback/682
トラックバック